益田美樹の「From THE WEEK」とは
日本の新聞社でキャリアをスタートさせ、英国でのジャーナリズム研究を経てフリーになったジャーナリスト・益田美樹が、現場取材とリサーチで得た気になる情報を基にして、環境問題を起点として様々なテーマで執筆するニュースレターです。
「From THE WEEK」の名前は、このニュースレターのきっかけとなったワークショップに由来しています。「The Week」と呼ばれるその体験型の学び場は、環境破壊と気候変動危機の現状を、動画(豊富な統計資料と資料映像)の助けを借りながら理解し、ほかの参加者と共にディスカッションを通して、「これから世界はどうなるのか」「私たちに何ができるのか」を1週間考えてみる(集まるのは3日間)、欧米発のプログラムです。
英語とフランス語のバージョンから次々に多言語展開し、その日本語バージョンがいよいよ試行されるというときに、私は参加する機会に恵まれました。主に欧米視点からの内容でしたが、日本に暮らす人にとっても学びが多く、何より面白い。どうしてこれまでこういう企画がなかったのか、と思うほど訴える力が強く、そして考えさせられました。取材者としても、新たなテーマや切り口を得ることになり、ぜひそれらを生かして取材しようと思い立ちました。
どうせ発信するなら、フットワークよく書いていこう。和やかで真摯な雰囲気の「The Week」にならい、これまでほとんど使ってこなかった語り掛ける文体を使い、通常の記事には挿入しない私自身の視点や感覚も率直に加えてみよう。The Weekで拾ったネタ、例えばオーガニック給食などを始まりとして、取材を広げていこう。このように考え、いわば「The Week」を起点にしたニュースレターになることから、From THE WEEKと命名しました。
メールアドレスを入力するだけで、無料で読める記事をまずは書いていこうと思います。週に1回の配信予定です。このプラットフォーム「theLetter」では、持続可能な取材活動を応援してくださるサポートメンバーさんを募るシステムもありますが、それはまた今後、折を見て検討してみます。その際は、ご支援いただけたら大きな励みと力になりますし、書き手と読者の交流会も利用して、率直な読者の声をお聞き、取材に生かしていけたらと願っています。
こんな方におすすめ
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The Week で得たモチベーションの火を心に灯し続けたい方
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環境に関する身近な話題を、現場に足を運んだ取材者の視点も踏まえて読みたい方
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食と農に関連した情報を得たい方
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「オーガニック給食」の動向に関心がある方
益田美樹について
学部時代は社会学を学び、大学卒業後に新聞記者になりました。民意が割れる基地問題の取材などをきっかけに、それまでの自分の仕事をいったん点検しようと、退職して渡英、大学院でジャーナリズム研究を行いました。帰国後は、海外メディアの論調を分析する外務省非常勤職員などを経て、フリージャーナリストとして活動しています。
調査報道のプロ集団フロントラインプレスに初期から参加し、Yahoo!ニュース特集、東洋経済オンライン、スローニュースなど複数のオンラインメディアで執筆してきました。関心の対象や得意とする取材テーマは、新聞の社会部がカバーする領域とほぼ重なります。なかでも戦争記憶の継承や、子ども、教育の話題には特に力を注いできました。
私が環境問題に関心を持ったのは、英国での大学院時代です。時間に余裕があったこともあり、図らずも、それまでの仕事に加えて生活までも総点検することになりました。そして、自分が地球にどのくらい負荷をかけているか、また負荷をかけないようにすつには何ができるかについて、考えを巡らすようになりました。環境配慮型の生活を自然に実践していた担当教員や、ハウスメイトたち、ファーマーズマーケットで出会った人たちの影響もあったからかもしれません。
帰国後、自分が出すごみの量が、英国時代と比べてはるかに大きくなっていることに愕然とし、日本では、意識を向けておかないと環境負荷の高い生活を送ることになってしまうということに気が付きました。
そこからです。ごみや無駄をなくす「ゼロウェイスト」を少しでも目指そうと、量り売り店を利用するようになりました。サーキュラーエコノミーの実践のため、専門農家に1年間通って生ごみ堆肥の作り方を学び、台所から廃棄していたものを、資源として循環させる考え方と方法を身に付けました。
生ごみ堆肥ついては、日本にはブランド化しているものもふくめ、いくつもの手法があり、それぞれに「環境によい」イメージを発信しています。しかし、第三者による比較分析や評価はほとんどありません。そこで、私は、自分が学んだ方法が科学的・社会的にどのように評価できるのかを知りたくて、米国のコンポスト学校(オンライン)で改めて学びながら、その検証を行いました。その結果、自分が専門農家から教わった方法は広めるに値すると確認し、また、日本の生ごみ堆肥の現状と課題について理解を深めることができました。
そうした学習や実践には副産物もあり、例えば、EUのあるグリーンビジネスコンテストに挑戦したところ、予選にあたる日本大会では3位、その上のアジアパシフィック大会では決勝進出を果たす、という経験をすることができました。グローバル大会には出場できませんでしたが、ファイナルまでの一連の動きを追うことで、環境問題の解決に向けて、世界の人々がどのような熱量で、どのようなことをしようとしているのか、その一端を肌で感じることができました。
このように、直近の数年で、私は環境問題に関わる取材のネタや情報を、それぞれの現場に当事者として身を置きながら少しずつ貯めてきました。そして、The Weekとの出会いを契機に、そうしたストックを使って書いていくことを始めました。「From THE WEEK」は、そんな益田美樹がお届けするニュースレターです。
上で書いた経歴のダイジェスト版はこちらです。
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益田美樹
ジャーナリスト。九州大学文学部人間科学科卒業(地域福祉社会学専攻)、英国カーディフ大学大学院修士課程修了(ジャーナリズム・スタディーズ専攻)。元読売新聞社会部記者。Yahoo!ニュース特集、東洋経済オンライン、スローニュースなど複数のオンラインメディアで執筆。著書に『日本語教師になるには』『チャイルド・デス・レビュー: 子どもの命を守る「死亡検証」実現に挑む』(共著)など。フロントラインプレス所属。
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